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ごあいさつ

 

赤ちゃんは人を信頼して生まれます。お世話する人との心地よいやりとりを通して、早くから人とのふれあいに仲間入りしようとする社会脳をもって生まれてきます。赤ちゃんは人の意図や気持ちを気配で見ぬく間主観性という力をもち、生まれ育った土地の風土や時代の気配を吸収し、その思い出がこころの故郷となりこころを育くみます。

 

乳幼児精神保健は、ことばはなくても繊細なこころをもつ赤ちゃんや乳幼児が、のびやかに目を輝かせながら、いきいきと発達していけるよう、子どもと家族と周囲の関係性を支える臨床科学分野です。

 

日本乳幼児精神保健学会(JAIMH)は2020年に新しくスタートするとともに世界乳幼児精神保健学会日本支部(WAIMH)として活動をはじめ、2022年には一般社団法人としての体制の充実を一歩ずつ図っています。WAIMH日本支部は、世界の仲間とつながりながら、日本各地の多様な臨床現場の問題に取り組んでいます。

 

会員は保健師、保育士、心理師、ソーシアルワーカー、看護師、乳児院・養護施設職員、弁護士、家族、市民、研究者、小児科医、児童精神科医、精神科医など。乳幼児をとりまく幅広い職種が、垣根を越えてつながりあい、親子へのまごころをこめた支援の実践を目指しています。そのために基礎研修、スーパーヴィジョン、年次学術集会等を開催し、WAIMH世界大会におけるJAIMH会員の発表を支援し、国内外の関係諸機関とも日頃から緊密な連携を図っています。またJAIMHは、乳幼児期からライフサイクルにわたるこころの発達に関する専門性をもつ一般社団法人として、全国各地の被災地を支援し、司法、医療、教育現場にも、乳幼児精神保健の最新の知見を届けています。

 

新しい脳の発達研究は、人が胎児期から自分の意図と感情を示し、人間性のモラルをもって生まれることを明らかにしています。相手とふれあい、思いやり、前向きにものごとにとりくむことが、人間性のモラルの3要素とされます。日本人の「甘え」には、この人間性のモラルが含まれ、人間がまだ言葉を持たず、戦争や略奪をせず、外敵からおたがいの身を守りあった太古からのコミュニケーションの要素も含まれます。

 

でもなぜ今、生態系の破壊がここまで進み、地球は危機に直面しているのでしょうか?また地球上には終わりの見えない戦争が絶えないのでしょうか?私たちは一体どこで道を誤ったのでしょうか?この問いに向きあうには、今こそ生きることの原点にたちもどることが大切です。乳幼児精神保健は、人生の最も早い時期の人のこころの理解を通じて、いのちとして生きることを共に考える分野です。いのちの重みはみな同じ。誰しもひとりで生きることはできません。人間関係オーケストラのハーモニーが世界中に響きわたるには、私たちひとりひとりが、競争ではなく共存、共生の姿勢を、地道にとりもどさねばなりません。生きることの原点を、仲間とともに、乳幼児と母親・父親・家族・その他の養育者との関係性から学び直すことを、私たちは目ざします。

代表理事 渡邊久子

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日本乳幼児精神保健学会では、ともに乳幼児の幸せを守る学会員を募集しております。